日本政府出展の中核施設。金と銀のガラスの2棟と高さ42mのシンボルタワーから成り、70mm映像「多様な国土」、楽譜を読んでエレクトーンを弾くロボット、1万個以上実るトマトの樹などをご覧いただけます。

どんな館か
会場中央のEブロックに日本政府が建てたパビリオン群の中心がテーマ館です。博覧会のテーマを暮らしの土台である住まいの面からとらえ直し、自然と国土を扱う「わが国土」と、人間と未来の生活を扱う「わがくらし」の2ブロックで展示を組み立てています。運営は日本貿易振興会が担当しています。
建築・外観
建物は渡り廊下でつながれたA棟・B棟の2棟と、シンボルタワーからなります。外装はすべてガラスで、A棟は金色がかったハーフミラー、B棟は銀色のミラーとして「金の箱」「銀の箱」の対比を見せています。A棟の内部は外光が入る半屋外的な空間で、B棟の2階に「人間」「未来の生活」「宇宙」が収められています。
シンボルタワーは、池の水面から立ち上がる高さ42mの4本のガラス柱で、上部の展示床を支える構造です。周囲の池では噴水による水と光の演出が行われます。
展示・上映内容
「多様な国土」のホールでは、縦13m・横20mのスクリーンに70mm映像を映しています。電通と東宝映像が共同開発した国産ラージフォーマット方式「ジャパックス」を採用し、水をモチーフに四季の移ろいと日本の国土の姿を描く作品です。
「太陽と水」には、太陽光を自動で集めて送る装置や、人工環境で葉菜を育てる植物工場装置のほか、協和が担当した水気耕栽培で1万個以上の実をつけるトマトの樹が置かれています。海洋開発のコーナーには深海潜水調査船「しんかい2000」の実物大模型もあります。
ロボットの実演も見どころです。東京工業大学の研究を三菱重工業が長期展示向けに改良した4足歩行ロボット、早稲田大学加藤一郎研究室の成果を日立製作所が形にした2足歩行ロボット、そして住友電工が製作した鍵盤楽器自動演奏ロボットが並びます。最後のロボットは高解像度のカメラで楽譜を読み取って演奏するもので、早稲田大学が1984年に発表したWABOT-2を原型とし、WASUBOTの名で紹介されています。
B棟の終わりには、鏡と照明で宇宙の果てしなさを体感させる「無限空間」が設けられています。
21世紀からのたより閉幕のあとのこと(史実)
テーマ館は1985年12月から撤去工事に入り、翌1986年3月の会場返還期限までに解体された。WASUBOTはつくばエキスポセンターの「科学万博-つくば'85メモリアル」で保存展示されている。
会場跡地の一部に整備された科学万博記念公園には、シンボルタワーを4分の1に縮めた記念塔「科学の門」が1988年1月に完成し、公園の象徴となっている。
参考資料・出典
- 国際科学技術博覧会 - Wikipedia(外部サイト・新しいタブ)
- 国際科学技術博覧会協会 編『国際科学技術博覧会政府出展報告』科学技術庁, 1986(国立国会図書館デジタルコレクション。全文検索の該当箇所表示で確認)(外部サイト・新しいタブ)
- 国際科学技術博覧会協会『国際科学技術博覧会公式記録』1986(国立国会図書館デジタルコレクション。全文検索の該当箇所表示で確認)(外部サイト・新しいタブ)
- 政府関連施設の照明(照明学会誌 69巻5号, 1985, J-STAGE)(外部サイト・新しいタブ)
- 白井良明「8. ロボット」(テレビジョン学会誌 39巻7号, 1985, J-STAGE)(外部サイト・新しいタブ)
- 2. 科学万博の概要(テレビジョン学会誌 39巻7号, 1985, J-STAGE)(外部サイト・新しいタブ)
- 7. 大型映画とその方式(テレビジョン学会誌 39巻7号, 1985, J-STAGE)(外部サイト・新しいタブ)
- 高西淳夫「ロボット 〜未来のパートナー〜」(建設コンサルタンツ協会誌 Vol.261, 2013)(外部サイト・新しいタブ)
- 住友電工「1985年 国際科学技術博覧会 〜人間・居住・環境と科学技術〜」(外部サイト・新しいタブ)
- 早稲田大学「早稲田のロボット:ヒューマノイド研究50年の歩み」(外部サイト・新しいタブ)
- 協和株式会社 ハイポニカ事業本部「沿革」(外部サイト・新しいタブ)
- つくばエキスポセンター「展示フロアガイド【1階】」(外部サイト・新しいタブ)
- つくば新聞「科学万博つくば'85」(外部サイト・新しいタブ)
- 塩屋天体観測所(個人サイト)「2005年の科学万博(1) つくば科学博〜EXPO'85〜から20年」(外部サイト・新しいタブ)